[外食レストラン新聞(日本食糧新聞社)] (2010/07/01)

パソコンの進化のスピードは驚異的だ。特に、パソコンがインターネットにつながっていることが当り前になった現在では、わずか数年前のパソコンがあっという間に「時代遅れ」になってしまう。これは、インターネットを通じてソフトウエアが勝手にバージョンアップされてしまうことも理由のひとつだ。そして最新のハードウエアに合わせてソフトウエアも次々と改良されるため、パソコンの動作はいつの間にか「重たく」なってくる。インターネットがこれほどまで普及していなかった時代には、大学の研究者などでも10年近く使い慣れた同じパソコンを使う人は結構いたものだが、現在ではそうした使い方はあまり現実的ではない。動作の遅いパソコンほどイライラするものはないから、ついついパソコンは数年ごとに最新の機種に買い換えてしまうということになるのだ。

しかし、その際に困るのが古いパソコンの処分方法だ。数年前からPCリサイクル法が施行され、家庭用のパソコンは比較的簡単に処分できるようになったが、事業用のパソコンは処分するにも費用がかかる。リサイクル手続きの手間も面倒だし、パソコン内のデータも処理しなければならないから、新しいパソコンを購入しても、すぐに古い機械を処分するわけにはいかないだろう。

そこで、今回は飲食店の経営者や管理職が仕事で使っているパソコンを買い換えたという想定で、古いパソコンを少しでも活用する方法について考えてみた。もちろん、古いパソコンがどのような機種なのかによって違ってくるが、せっかく買ったパソコンを数年で処分してしまうのももったいない。

まず、古いパソコンがデスクトップ型の場合、ファイルサーバーとして使う方法がある。これは、ネットワークにつないで自分で作成したデータやデジカメの写真などを保存しておくための専用機にするということだ。実際に作業をするパソコンと違って、サーバーであれば少し前の機種でも充分使える。新しいパソコンが壊れてもデータが失われる心配はないし、今後パソコンを買い換えた時にも、データの入替え作業などが必要なくなる。このサーバーを直接インターネットにつながなければウィルスに侵されることもなく、CDやDVDを焼いたり、プリンタをつないで印刷専用機にすることも可能だ。

店舗で使うようなノートパソコンならば、BGM専用のオーディオ機器の代わりに使ってはどうだろうか。手持ちのCDをすべて取り込んでスピーカーをつなげば、アンプもCDプレイヤーも要らない音響機器になる。音楽データを再生するだけなら、かなり古い機種でも問題はない。最高の音質ではないが、BGM程度ならば充分だ。筆者も仕事場のBGMはこうしているが、CD300枚分ぐらいのデータが入っているので、一週間ずっとかけっぱなしにできるほどだ。動画を扱える機種ならTVチューナーを接続して、店舗でテレビや録画した映像を流すビデオデッキの代わりにも使えるだろう。

パソコン本体は邪魔だから要らないが、内部のデータが必要という場合は、ハードディスクだけを取り出して取っておけば良い。パソコンショップへ行けば、数千円でハードディスクを直接パソコンに接続できる装置を買うことができる。ハードディスク自体が壊れていなければ、パソコンの調子が悪くて買い換えた場合も、内部のデータはすべて利用できるし、データ保存用の外部ディスクとしても使える。

いずれにしても、高い金額を出したパソコンだ。最後の最後まで活用しない手はない。

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