[外食レストラン新聞(日本食糧新聞社)] (2010/01/01)

ここ1年足らずのあいだに、日本でも急激に利用者が増加していると伝えられているのが「ツイッター(Twitter)」だ。ツイッターとは、米国で開発された、わずか140文字という短いコメントをインターネット上でリアルタイムにやり取りするサービスのこと。ブログのように、利用者それぞれが簡単なホームページを持ち、パソコンや携帯電話から「今、何をしているのか」を短文で発信することで、他の参加者たちとコミュニケーションを取り合っていくという仕組みだ。例えば、出先で「今、○○駅に着いたけど道が判らなくて迷っている」とケータイから書き込めば、誰かが「どこに行きたいの?」「△△へ行きたいなら改札を出て大通りを左に進んで!」などとフォローしてくれたりする。もちろん、自分の発言を公開するかどうかは自由だ。言葉で説明すると何のことか判らないかも知れないので、興味のある人は実際に使ってみて欲しい。

このツイッターは、米国のオバマ大統領が大統領選の際に活用したことで大きな話題を呼んだ。ツイッターとは、いわばインターネット上で「自分自身を実況中継する」というツールなので、選挙演説の遊説のあいだに自らの動向を逐一アナウンスしたり、政策などに関する短いキーワードを発信して人々にアピールしたりと、最大限に活用して選挙戦を勝ち抜いた。ツイッターの世界では、オバマ大統領は個人でCNN放送と並んで多数のフォロワー(コメントの読者)を持つ超人気者なのである。

米国でのツイッターのサービス開始は3年半ほど前だが、日本版のサービスが始まったのは2008年。日本でも昨年あたりから、国内の有名人が参加し始めたことで急速に利用者を増やしている。2009年春の段階で、米国でのツイッター利用者(月間)は約1700万人、日本国内だけでも約50万人が利用したという。現在では、日本のユーザーはその倍以上に増えていることだろう。

さて、今回ツイッターを紹介したのは、ただ話題になっているからという理由ではない。米国では、このツイッターを利用した販促が効果を上げているからだ。コンピュータメーカー「デル」では、ツイッターを使って、パソコンのアウトレット販売で300万ドルを売り上げたと発表している。また、あるワインのオンラインショップの個人オーナーは、ツイッターでの販促で大きく売上を伸ばし、米国でも有名なワイン営業マンとして知られるようになったとか。ツイッターは、ブログに比べて更新が簡単なため、よりスピーディに高頻度で情報発信が可能となる。仮に、飲食店でツイッターを使って、店内の状況やイベントなどをリアルタイムに伝えることができれば、そのユーザー数からしても、強力な販促ツールになる可能性は充分にあるのだ。

ちなみに、ツイッターとは日本で「つぶやき」と翻訳されているが、正確に言うと「さえずり」という意味により近い。「小鳥がさえずっている」の、あの「さえずり」だ。つまり、多くの人たちがネット上でピーチクパーチクさえずり合っているというイメージである。

次回は、同様にオバマ大統領が活用して有名になったサービスである「フェイスブック(Facebook)」を採り上げてみたい。

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