2003.07.02
釣銭の渡し方
最近、妙に気になっていることのひとつに、いろいろな店のレジで釣銭を渡される時のことがあります。
お客(つまり私です)の手に自分の手が触れないように釣銭を渡そうとする従業員が非常に多いのです。中には、この目的に完璧を期すため、私が差し出した手の上に中空から小銭を落とす、という画期的な方法を採用している女の子さえいるくらいです。
これには恐らく二つの理由が考えられます。ひとつは、私の手(あるいは全身)が異様に汚いため、触れると何か病気でも感染されるのではないかと思っているという理由。もうひとつは、見ず知らずの他人に直接触れたくない、という人間が増えているという理由です。
前者であればさほど気にすることではないと思いますが、もし後者ならば、これは店舗の経営者にとっては結構重要な問題ではないでしょうか?
そもそも店を構えるということは、原則として不特定多数の一般客を相手にすることであり、言わば見ず知らずの人間と触れ合うのが仕事のようなものです。人間が動物である以上、「触れ合う」ということはコミュニケーションの基本であり、これを恐れる(あるいは嫌う)ということは、潜在的に相手に対する拒否・あるいは否定の信号を発しているということになります。
そして、このような人たちには、お客の懐に入り込んでコミュニケーションを行うような積極的な販売活動を望むことは難しいでしょう。
少なくとも、私はこの現象に気がついてから、常に釣銭を受け取る瞬間を意識するようになりました。そして、しばしば最後にちょっとした不快感を残して店を立ち去ることになるのです。