~タイをこよなく愛するタイ料理研究家、両角舞さんの連載フードコラムです~

タイの街をぶらぶらと歩いていると目に入るお菓子(タイ語でカノムと言います)の屋台。タイではおかずやフルーツと同様にお菓子も屋台で売られています。しかも日本では見たことがないような珍しいものばかり。値段も安いので思わず買ってしまうのです。
今回はわたしがお気に入りの物をご紹介します。

●カノムブアン

●カノムブアン

①カノムブアン

見た目は固めのクレープ生地にメレンゲとトッピングが挟まっています。生地はサクサク、メレンゲクリーム部分はかなり甘いです。トッピングはドライフルーツやタイ式の鶏卵素麺が入っていることが多いです。たまにカリカリの海老が乗っていることも(!)
でも海老も不思議と美味しいのです。一つだけ食べたくても10個入りで売っているのが難点…。

②カノムクロック

見た目はソースのかかっていないちょっと潰れたタコ焼きです。米粉とココナッツミルクを使った甘い生地をタコ焼き器で焼いたもので、中身にはコーンや青ねぎが入っています。
甘いものに何でねぎを入れるのか…と思うのですがこれも何故か合います。焼けたところは少しかりっとして中はトロリです。しっかり甘め。

●ガラメー

●ガラメー

③ガラメー

ココナッツミルク風味のういろうという感じです。地方によって味や形状や柔らかさが異なるらしいのですが、私が南部のハジャイで食べたものはもっちリプルンとしていてパンダンリーフ風味とキャラメル味でした。タイ人の子たちはこれが美味しい!という子とこれは本当のガラメーじゃない!という子がいて何が正解かわからないままですが…。

④ロティーサイマイ

これがカノムの中で一番好き!アユタヤ地方のお菓子だそうです。しっとり、もちっとした柔らかいクレープのような生地に細い髪の毛状(!)の飴を巻いて一緒に食べるのです。
もっちり、さくさくとした不思議な食感が最高に癖になります(私だけかな…)。髪の毛状と書きましたが本当に細くって、まるで金髪のエクステを食べているようです(美味しそうに聞こえないですよね…)これは見かけたらぜひチャレンジしてほしいです。

タイのカノムは見た目も味も日本の物とは全然違いますが素朴で甘くてなんだか落ち着くのです。タイの女の子たちと仕事をさぼりながらつまみ食いした思い出の味です。

●ロティーサイマイ

●ロティーサイマイ

(写真と文)
タイ料理研究家・フードコーディネーター
両角 舞

mai_morozumi☆もろずみ・まい

料理人として10年間修業を積んだ後、フードコーディ―ターに転身。某専門学校で調理講師、2009年より5年間CX系「めざましテレビ」のフードコーディネーターを務めた他、銀座で料理教室を主宰。
2012年「ELLE a table」フードバトルグランドチャンピオン。著書に『塩ヨーグルト完全使いこなしレシピ80』(世界文化社)がある。
タイのハジャイ、バンコクでのレストラン立ち上げに関わり、メニュー考案、調理に携わる。現地での生活の経験を活かし、現在はタイ料理研究家として活動中。

ホームページ
Mai Morozumi 両角 舞 http://morozumimai.com/

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