~タイをこよなく愛するタイ料理研究家、両角舞さんの連載フードコラムです~

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日本で市場と聞くと、一般的には生鮮食品や鮮魚、生花などを思い浮かべると思います。しかしタイの市場はその他に料理道具、洋服、雑貨などあらゆるものが並んでいます。

タイの生活に欠かせないのがこの市場であり、この国に根付いた魅力的な文化と言えます。

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私も料理人の端くれとしてタイに移住した際に真っ先に見学に行きました。活気のある声が飛び交い、新鮮で色とりどりの野菜、魚、肉、そして屋台料理が所狭しと並びます。

スーパーで見る価格より格段に安いし、量が多いのでここで買わなければ損だ!という気になるのです。さらにタイ料理屋には欠かせないあらゆる調味料や乾物、そして料理道具や食器も大体の物が揃います。

衝撃的だったのは、台の上では鶏肉を売っているのにその下の檻には生きた鶏が入っていたり、蛙が内臓を見せた状態で仰向けになっているのが綺麗に整列していたり、魚の活きが良すぎて桶から飛び出し、路上で跳ねていたりと、ワイルド過ぎるお店があることでした。

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日本の生活では考えられませんがこれがタイの人々の日常。当たり前ですが食べ物が生き物であるということを痛感させられます。

気持ち悪い、臭い、というマイナスイメージで訪れない人も多いようですが、私はタイに行くなら是非覗いてほしいと思います。

命を頂くという当然だけど忘れがちなこと、それを淡々と日常に取り入れているタイの人たち。

市場こそ人間の逞しさをビシビシ感じられる面白い場所であると思います。

(写真と文)
タイ料理研究家・フードコーディネーター
両角 舞

mai_morozumi☆もろずみ・まい

料理人として10年間修業を積んだ後、フードコーディ―ターに転身。某専門学校で調理講師、2009年より5年間CX系「めざましテレビ」のフードコーディネーターを務めた他、銀座で料理教室を主宰。
2012年「ELLE a table」フードバトルグランドチャンピオン。著書に『塩ヨーグルト完全使いこなしレシピ80』(世界文化社)がある。
タイのハジャイ、バンコクでのレストラン立ち上げに関わり、メニュー考案、調理に携わる。現地での生活の経験を活かし、現在はタイ料理研究家として活動中。

ホームページ
Mai Morozumi 両角 舞 http://morozumimai.com/

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